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建築物省エネ法ってナニ?

「建築物省エネ法」とは、オフィスビル、商業施設、マンションさらには一戸建ての住宅などについて、省エネルギー化を進めようとする法律です。
誰でも知っているでしょうが、日本は天然資源に乏しい国です。また、仮に天然資源が豊富にあったとしても、地球温暖化などの懸念から、世界的にも省エネルギーが求められている現状にあります。
エネルギー消費というと、大規模な工場の稼働など産業界で必要とされるものとか、航空機とかトラック、自動車といった輸送に必要とされるものが大半で、ビルやマンションなどにおいて必要とされているエネルギーは大したものではないのではないかと思う人もいるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
確かに50年も昔の高度経済成長期であれば産業界とか輸送において必要とされるものが8割以上で、一般的なオフィス業務とか家庭などで必要とされているエネルギーは2割未満でした。
ですが、その後社会構造が変わり、また産業界や輸送においてはいち早く省エネが進められてきたこともあって、今では実はオフィスとか家庭で必要とされるエネルギーは全体の3割を占めるまでになり、省エネ化の全体を考えるにあたって建築物を無視して進めることはもはや非現実的なものになっています。

そのために制定されたのが建築物省エネ法であり、最初は2015年に成立しています。その後2019年に改正されました。ここでいう省エネとは、建物全体で使うエネルギーを可能な範囲で少なくすることと、建物内において新しくエネルギーを生み出すこととの二本立てになっています。前者に関しては例えば建物の断熱性能を上げて暖房や冷房に要するエネルギーを少なくすることが考えられますし、後者については例えば太陽光発電設備を設けることなどが考えられます。

ただ、個々の建築物において、具体的にどの程度のエネルギー消費であれば省エネルギーと言えるのかは事例によって大きく異なるのが当然でしょう。外見は全く同じように見えるオフィスビルであっても、中に入るテナントの種類によってエネルギー消費量が変わってくるのは当たり前のことで、建築物という観点だけから具体的なエネルギー消費量の数値目標を挙げたりすることはあまり適切ではありません。

そのような理由もあって、この法律ではエネルギー消費量の数値目標を挙げたりはしておらず、建築物の種類などに応じて、自分たちで省エネ目標を立て、それを規制当局に届けることを義務化したり努力目標としたりしているというのが実際の姿です。義務対象の場合は届け出を行わないと建築許可が下りなかったりしますから絶対的に必要なものですし、努力目標の場合は届け出に応じて例えば容積率が特例で緩和されるとか、ローンの金利の引き下げなどの恩恵を受けることができたりします。このような方法により、省エネルギーを意識した建築物が多くなるように国として誘導しているのが建築物省エネ法になります。